代表あいさつ

代表あいさつ

私は約20年東京消防庁で救急隊を行い救命の実務に従事してきました。救えない命もたくさんあり、悔しい思いもしてきました。その時感じていたのが、“救命教育がもっと普及していれば助けられたかもしれない”ということです。一人でも多くの命を助けるための教育をしていきたいという想いに至り、『バイスタンダー』の教育を始めました。バイスタンダーとは、“急病人発生時にその場にその場に居合わせた人”を意味します。

けがや病気で危険な状態の人にとって大切なのは、途切れることなく迅速に行われる手当の連鎖です。そのバトンを最初に受け取るのがバイスタンダーであり救命のキーパーソンとなります。しかし、日本のバイスタンダー教育は救命の先進国に比べ30年遅れているといわれています。この状況を打開し、救命教育を普及すべく、SATRiを立ち上げました。

SATRiが行う教育で大切にしているのは“楽しみながら学ぶ”ということです。遊びながら自然と技術が身に付くよう救護活動をゲームに取り入れたり、リアルな救命を体験できる最新のAR技術を取り入れたり、また、救命をより身近に感じてもらえるようにイベントとかけ合わせるなど、救命教育に革命を起こしながら新しい教育のかたちを提供しています。

教育に新しい風を吹かせるという一方で、守っていきたいこともあります。それは日本人特有の“和”の心です。心を分かち合い思いやる、人と人との絆が、日本人には遺伝子レベルで備わっています。その日本古来の良い文化を救命教育とかけ合わせることによって日本独自の素晴らしい救命ができると考えています。新しい救命教育と日本人の良い文化で、日本をバイスタンダー教育世界一の国にしていきたいと思っています。

誰もが助けてくれる愛のある社会にするために、一人でも多くの頼れるバイスタンダーが必要です。ぜひ皆さんの力をお貸しください。

代表 片岡司